 イラスト by 安田梨花 |
直立ポーズをするレッサーパンダの風太君(千葉市動物公園)が人気です。微妙なアンバランスがとてもキュートですね。でも風太君には今きっと悩みがあるはずです。
皆さん肩はこりませんか?肩こりは高齢者に起こるとは限りません。パソコンを使っている若い人や、中学生でも肩がこります。実は肩こりは人間の特権です。人間は立ち上がって二足歩行をします。そうすると2本の腕と重い頭を首、肩、背中の筋肉で支えなければいけません。パソコンを使う人や美容師さん、姿勢の悪い人など前傾姿勢で頭を前の方に出して腕を持ち上げている人は更に腕の重さが肩の筋肉に掛かります。2本の腕は大人で6−8kg、頭は4−5kgありますから、首と肩に全部で10kg以上もの荷重が掛かります。そうすると肩や首、特に僧帽筋が絶えず収縮し、筋肉内の血液の流れが悪くなり、筋肉で作られた乳酸などの不要物が溜まり、筋肉の緊張が増して肩こりという症状になります。そんなわけで風太君は肩こりという人間と同じ悩みを抱えることになってしまったのです。
首の骨(頚椎)は7個あります。ヒトの頚椎を横から撮ったレントゲン写真を見ると正常では7個の頚椎がゆるい前方凸のCの字型にカーブしています。このカーブは頭の重さをうまく分散して支え、外からの衝撃を和らげるバネとして働いています。肩こりの人の首のレントゲン写真を撮ると7個の頚椎が真っ直ぐだったり、ときには逆Cの字カーブになっていることがあります。逆Cの字は頚椎後湾といいます。このような人は頚椎がバネの役割をなくし、重さや衝撃に対して弱くなっています。そのために絶えず首や肩に負担が掛かり、周りの筋肉が緊張します。こうなるとますます肩こりがひどくなります。
腕を横に広げてから万歳のかっこをしてみてください。耳に腕がスッとくっつきますか?肩の関節は腕が水平より少し上になるくらいまでしか動きません。
 イラスト by 安田梨花 |
腕を横に広げるには主に肩の関節が働きます。それから万歳するためには肩甲骨が羽のように開いて腕を上げているのです。肩甲骨は肩の後ろにある骨です。肩がこって僧帽筋が緊張している人や、猫背になっている人は肩甲骨の動きが悪いので、無理に肩の関節ばかり使って肩を悪くします。ですから肩がこったままテニスをすると肩を痛める原因になるのです。
肩こりの治療と予防はまず姿勢です。顎を少し引いて首をのばしてしゃんとした姿勢が頚椎に最も負担が少ない姿勢です。普段から心がけてください。肩の張る仕事をしているときは1時間ごとくらいに首と肩のストレッチをしてください。肩甲骨を動かす体操が役に立ちます。足をぶらぶらするくらいの少し高いところに腰掛けて両手を広げます。そして腕を水平にしたまま身体を左右にゆっくり動かします。気持ちがいいと感じるまで筋肉を伸ばして暫く静止しましょう。毎日続けると御利益がありますよ。