小学生や中学生で頭痛を訴えて私の外来に来る子供たちがいます。脳に病気はありませんし、学校は楽しくて、運動クラブも一生懸命やっているのに頭が痛いのだそうです。そういう子の肩や首を触ってみると結構凝っていることが分かります。小学生で肩凝りなんてちょっと信じられませんし、本人も肩が凝っているとは思っていないのに、実際肩が凝っています。なぜ肩が凝るかというと身体が硬くて姿勢が悪く、猫背になっているからです。特に周りの子達より背が高い子は遠慮がちになって猫背になり易いようです。
あなたの周りの子供たちや若い人にウンコすわりをやってもらってください。踵はペタッと地面につけるようにしてもらいましょう。そうすると後ろへひっくり返ってしまったり、踵が上がらないと座れなかったりする子供たちが何人かいる筈です。そういう子供たちに前屈をしてもらうと手の指先がつま先に届きません。足が長くなったからだという理由も考えられますが、バランスを崩すほど足だけが長くなったわけではありません。原因は身体が硬いからなのです。身体が硬いとウンコすわりになっても上半身が前に来ないので後ろへ倒れてしまうのです。お腹が出ている人もウンコすわりはできませんが、これはお腹が苦しくてできないからで別の理由です。
ウンコすわりができないほど身体が硬くなってしまったのはウンコすわりの必要がなくなったからだと考えられます。つまり生活の洋式化です。特にトイレは駅や公衆トイレ以外は殆ど洋式になりつつあり、和式便器にウンコ座りをするチャンスは随分減りました。でも忘れられつつある和式便器には洋式と比べて良い点もたくさんあるのります。まず第一に便器に触らないから清潔です。便を見ることで健康状態のチェックができて検便もやり易いです。でも和式便器のもう一つの長所はウンコすわりで身体のバランスを上手にとる訓練ができることです。
身体が硬いとスポーツ障害が起こりやすくなります。テニスや野球でも手打ちや手投げになってしまって、肩を痛めたり、腰を痛めたりします。成長期に大腿四頭筋が硬いと膝の前の骨(脛骨粗面)を引っ張ってしまい、膝の前の骨が出っ張るオスグット・シュラッテル病という病気にもなります。貴方も膝の前の骨が出っ張っていませんか?一回チェックしてみてください。ウンコすわりの開脚を少し広げるといわゆるヤンキー座りになります。ウンコ座りとかヤンキー座りとかは広辞苑には載っていませんが、新語辞典には載っています。とにかく腰が痛いと言って外来に来るヤンキーはあまりいませんから、やはりウンコ座りやヤンキー座りは身体を柔らかくするのに役立っているのだと思います。
私の通っているテニススクールも大勢の子供たちが来ていますが、準備体操をみていると前屈をまじめにやっていない子が結構います。これではいけませんね。と言いつつ私の前屈はもっと窮屈で卑屈でいい加減です。