WATANABE
渡部SHINGO
信吾
WATANABE
渡部SHINGO
信吾商品企画
フットウェアプロダクト部
シニアマネージャー
元々は90年代からテニスカテゴリーをやっていたんですけど、1度テニスシューズの開発と販売をストップする期間がありまして、2014年からリローンチということでもう1度シューズからテニスのビジネスを始め、3年前からニューバランスジャパンとしてアパレルを始めました。
ブランドとしてテニスにもう1回力を入れることになったのは、まずニューバランスとしてランニングで世界でナンバー1のブランドになるというミッションと、同じ形で世界トップ3のアスレチックブランドになるというミッション・ゴールを掲げて今ブランドを前に進めているのですが、そのうちの1つとしてトップ3のアスレチックブランドになるために、カテゴリーとしてテニスに注力することを決めています。
元々は90年代からテニスカテゴリーをやっていたんですけど、1度テニスシューズの開発と販売をストップする期間がありまして、2014年からリローンチということでもう1度シューズからテニスのビジネスを始め、3年前からニューバランスジャパンとしてアパレルを始めました。
ブランドとしてテニスにもう1回力を入れることになったのは、まずニューバランスとしてランニングで世界でナンバー1のブランドになるというミッションと、同じ形で世界トップ3のアスレチックブランドになるというミッション・ゴールを掲げて今ブランドを前に進めているのですが、そのうちの1つとしてトップ3のアスレチックブランドになるために、カテゴリーとしてテニスに注力することを決めています。
ニューバランスのシューズの特徴は、まず1つ目がラスト(靴型)。他社に真似出来ないラストを使っています。もう1つがウイズ(足囲)サイジング。同じモデルでウイズを選べるというのは、ニューバランス独自のシステムになっています。今回ですと996がウイズを選べる形で商品を提供しています。
大きな特徴としてはソールなんですけど、他のメーカーさんはシャンク(アウトソール中足部に埋め込まれた芯材のこと)が入っているのが多いんですけど、私たちはランニングと同様にフルグランドコンタクトという考え方で、セパレートしたソールではなくアウトソールが足裏と連動してしっかり地面に接地できるような全面フラットなアウトソールにしています。
テニスのプレーした動作解析でも必ず足裏全体が接地していて、逆にセパレートさせてしまうと足の動きそのものを抑制してしまうので、私たちはこのような設計にしています。ニューバランスはわざわざソールにシャンクを入れてセパレートさせなくても、軽量かつ安定性の高いものを備えているのがランニングに強いブランドだからこそ出来ることかなと思っています。
今年の秋冬モデルは、春夏と商品的には同じなんですが、全てが新色になっています。ただし、996シリーズですと選手のフィードバックを取り入れて中底のボードに「EVA」という素材を使って、さらにクッショニングを高めています。色んな選手のフィードバックや消費者のフィードバックをふまえて、少しでも商品を良くしようということで今年の秋冬カラーからさらにクッショニングを高めています。
また、996は今年の春からアッパーにメッシュを採用したり、通気孔を設けたり、タング(ベロ)をニット素材へ変更したりしています。これらの素材変更により、通気性を大幅に改善しました。
「996」の特徴は、1番はレスポンス性が高いこと。踏ん張った時、次の動きにいち速く瞬間的に戻れるようなシューズ設計をしているのがこのシューズの特徴です。その為の機能性がソールのプロバンクという機能です。アッパーも普通のメッシュではなく、ニットを使うことでサポート性とフィット性を両立しています。
「896」はどちらかというと軽量性に特化したモデルで、「996」よりサポート性は少し劣るんですが逆に言うと圧倒的にこちらの方が軽いです。機能の特徴としてもソールが全然違いまして、ミッドソールにはニューバランスで1番軽い素材であるREV LITE(レブライト)という素材を使っています。アッパーにはニットではなく、三層に重ねたメッシュ(ファントムフィット)を使うことで通気性・サポート性・軽量性を実現しています。896に関しては、私たちがメインのお客様として考えている学生プレイヤーから、軽くてフットワークを重視したいという要望がとても多く、それに応えた商品です。
「896」のオムニ・クレーコートのソール設計は、外側が全体的に粗い、大きい構造にしています。特に外側に滑りをかけたい時に引っかかると恐いというフィードバックがあったので、外側はあえて隙間を大きくして少し滑りやすく設計しています。
反対に、母指球のところでストロークの時に引っかかるのが嫌だという選手が多いので、細かく、密度をより高めることで回転しやすくさせています。全体像として、内側が細かく、外側へいくにしたがって段々粗くなっていくというような設計をしているのが特徴です。あと、オムニコートって世界的にもオーストラリアに少しあるくらいで、基本的に日本がメインなので、このオムニコート用のデザインは日本のデザイナーが設計しています。日本の学生プレイヤーにむけて、日本で全てテストして商品化しているものになります。
オムニ・クレーのソールパターンに関しては、私たちはスタッドと呼んでますけど、円形のスタッドと十字のクロスをミックスした形にしています。理由は全てが円形のものになると、プレー中コートに引っかかりやすくなり、引っかかり過ぎて怪我をしてしまう、転倒しやすいです。丸の数を減らし過ぎるとソールに不安定感が出てくるので、その安定性を保つために十字を少し入れてあげることで、滑りやすさと滑りにくさを両立しています。この設計はニューバランスだけの特徴です。
ハードコートは、「ヘリンボーン」を基本設計のデザインの考え方にしています。「ヘリンボーン」は、V字を連続させたようなギザギザ模様のことを指します。テニスシューズのアウトソールデザインとしてはとても一般的です。基本的にはギザギザにすることで前後左右どちらにも適度にグリップ性を発揮するソールです。滑りすぎるのは危険ですし、滑らなくてもダメっていうのもあるんですけど、きちんとグリップできて耐久性も備えている感覚でいくと、「ヘリンボーン」が一番ハードコートに適したデザインだとニューバランスでは考えています。屈曲もしやすいです。